島根県中央部、邑智(おおち)郡にある町。江の川(ごうのかわ)とその支流流域にある。1927年(昭和2)町制施行。1955年(昭和30)川下(かわくだり)、三原、三谷、大代(おおしろ)の4村と合併し、1956年祖式(そじき)村の一部を編入。1957年大代地区の一部を大田(おおだ)市へ分離した。江の川が町の中央部を北東から南西に貫流し、南西部を国道261号が通る。川本地区は江戸時代には大森代官所支配地で、口留(くちどめ)番所が置かれた。また河川交通中心の市場町でもあり、現在も郡の中心である。町域は山地が多く、耕地は江の川などの河谷沿いに分布する。稲作、畜産、野菜栽培などの山村型農業を行う。面積は106.43平方キロメートル、人口3248(2020)。
[石橋忠男]
『『川本町誌 歴史編』(1977・川本町)』
埼玉県北部、大里郡(おおさとぐん)にあった旧町名(川本町(まち))。現在は深谷市(ふかやし)の南東部を占める地域。旧川本町は1977年(昭和52)町制施行。2006年(平成18)深谷市に合併。旧町域中央を荒川が東流、両岸に沖積平野、その外側に洪積台地が広がる。秩父(ちちぶ)鉄道と国道140号が通る。桑園が広がり、養蚕と酪農が盛んであったが、養蚕は大幅に減少、野菜や花卉(かき)栽培が増加している。1959年の国営荒川中部農業水利事業、その後、県営の圃場(ほじょう)整備事業が行われ、農業の近代化が進んでいる。鎌倉時代の武将畠山重忠(はたけやましげただ)の墓や鹿島古墳群(県指定史跡)がある。なお、鹿島古墳群近くの荒川は、近年ハクチョウの飛来地となっている。
[中山正民]
『『川本町史』(1989・川本町)』
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…砂鉄採取とたたら製鉄が行われた地域で,たたら跡が数多く残る。中心地の川本は江の川舟運の中継地として発展し,1872年(明治5)に郡役所が置かれて以来,県の出先機関,金融機関などが集まる邑智郡の中心地で,郡内各方面へのバスが発着する。山林が多く,乳牛の飼育,タバコやシイタケの栽培が行われ,特産物に茶,アユがある。…
…障害児教育の功労者。兵庫県出身。東京大学文学部教育学科を卒業。1920年文部省に入り,盲聾教育,図書館,青少年団関係を担当,22年欧米盲聾教育の調査研究に派遣される。帰国後,日本聾口話普及会の設立(1925)など口話法の普及,発展に指導的役割を果たす。42年東京聾啞学校長に就任。第2次大戦後は,教育刷新委員会委員として特殊教育の義務化に貢献したほか,大学における盲聾教育などの教員養成課程の設置にも尽力。…
…幕末の蘭学者。摂津三田藩医川本周安の三男。名は裕,字は幸民,号は裕軒。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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