ラビリントス(読み)らびりんとす(その他表記)Labyrinthos

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラビリントス」の意味・わかりやすい解説

ラビリントス
らびりんとす
Labyrinthos

ギリシア神話に出てくる迷宮。クレタ王ミノスが怪物ミノタウロスを閉じ込めるため、工匠ダイダロスに命じてつくらせたもの。通路は錯綜(さくそう)を極め、いったんここに入り込んだ者は二度と出ることができなかった。しかし、英雄テセウスは戸口に糸玉の先を結び付けて入り、その糸をたどって脱出し、また、のちにここに幽閉されたダイダロスとイカロスの親子は翼をつくって空を飛び、逃げ出した。ラビリントスはクノッソスにあったとされるが、ゴルティン市の地下採石場がこれであるとする説もあり、やがて迷宮的な建物は、すべてラビリントスとよばれるようになった。ラビリントスという名称はlabrys(両刃の斧(おの))と結び付けられるが、この斧が石切り工具なのか、犠牲式の祭具なのか、何かのシンボルなのか、明確ではない。

[中務哲郎]

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