迷宮(読み)メイキュウ

  • 迷宮 labyrinth

デジタル大辞泉の解説

中に入ると容易に出口がわからず迷うようにつくってある建物。
複雑に入り組んでいてなかなか解明できない事柄のたとえ。また特に、手がかりがなく解決の見通しが立たない犯罪事件。「人間心理の迷宮

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世界大百科事典 第2版の解説

ギリシア語のラビュリントスlabyrinthosが語源。古代の著述家たちがエジプトなどの神殿宮殿にありとした複雑な構成の建物。しかしその遺構は確定できず,むしろそれを象徴する文様が歴史的に意味をもってきた。今日の迷路パズルの起源でもある。 古代の迷宮文様は,クレタ島,クノッソスの宮殿を舞台とする神話を背景として,呪符あるいは護符としての意味をもっていた。すなわち,クレタ王ミノスの妻パシファエと雄牛との間に生まれた牛頭人身の怪物ミノタウロスは,クノッソス宮殿ダイダロスが造った迷宮(ラビュリントス)に閉じ込められていたといい,アテナイの王子テセウスが,クレタ王女アリアドネの手渡した糸の導きでミノタウロスを倒して,迷宮から帰還する。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① (中にはいると通路が複雑で出口がわからなくなって迷うように造られた建物の意から) 解決などを求めて迷う状況の比喩に用いる。
※松島に於て芭蕉翁を読む(1892)〈北村透谷〉「迷宮(メイキウ)と知って迷宮に入るは文士の楽しむところにして」
② 特に、犯罪事件が複雑で容易に判断・解決などがつかないこと。また、その状況にあること。
※夢声半代記(1929)〈徳川夢声〉オットコヨウを弔ふの記「其後事件は迷宮(メイキウ)から出たか引っ込んだか」

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世界大百科事典内の迷宮の言及

【迷路】より

内耳とまったく同じ意味と考えてよいが,迷路が内耳を包んでいる組織をも含んだ総称である点に違いがある。側頭骨の中のいちばん硬い岩様部の中に迷路のような複雑な管腔,およびそれを包んだ硬い骨があることからこの名がついた。迷路は,外装をつくっている骨迷路(迷路骨包)と,その内側に包まれた膜迷路とからなっている。骨迷路内には,ほぼ髄液と同じ成分で,蝸牛導水管で髄膜腔に連なる外リンパ液が含まれている。この液は,聴覚に役立つ蝸牛と,体の振動,平衡に役立つ前庭と,頭の回転などを知覚する半規管とを満たしている。…

※「迷宮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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