日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ルリア(Salvador Edward Luria)
るりあ
Salvador Edward Luria
(1912―1991)
アメリカの分子生物学者。イタリア生まれ。トリノ大学で医学を学び、1940年アメリカに渡り、コロンビア大学で1941年からファージ遺伝学の研究を始める。1943年M・デルブリュックとともに、細菌のファージ抵抗性株の出現が、環境に対する適応ではなく、自然突然変異が環境により選択された結果であることを証明し、細菌遺伝学の基礎を築いた。また、デルブリュック、ハーシェイとともにファージ・グループの中心として、ファージが指数関数的に増加すること、ファージ干渉現象、紫外線で不活化したファージを多量に菌に感染させると活性化する「多重感染活性化」の現象など、ファージ研究の基礎的な現象を多く明らかにし、またT2ファージの写真を初めて撮影した。1969年、デルブリュック、ハーシェイとともにノーベル医学生理学賞を受賞。
[石館三枝子]
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