レイキン(読み)れいきん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レイキン」の意味・わかりやすい解説

レイキン
れいきん / 霊菌
[学] Serratia marcescens Bizio

エンテロバクテリア科セラチア属の1種で、真紅色素を生産する特異的な細菌として知られる。レイキンはデンプン質の食品などの上で、とくに真紅色を呈する。かつて西欧において、パンに本菌を生育せしめてキリストの肉として布教の材料としたという故事から、レイキンという名がついたという。周毛性で運動性のある桿菌(かんきん)。大きさは0.5~0.8×0.9~2.0マイクロメートル(1マイクロメートルは100万分の1メートル)。グラム陰性。好気性の細菌で、嫌気的にも生育するが、この際は色素はつくらない。宿主(しゅくしゅ)(寄生対象となる生物)に感染抵抗力低下などがあった場合、本菌が日和見(ひよりみ)感染opportunistic infectionをおこすことがある。

[曽根田正己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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