ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ローマ建築」の意味・わかりやすい解説 ローマ建築ローマけんちくRoman architecture 前5世紀から 4世紀初頭にかけて,古代ローマを中心にイギリスからメソポタミアにまで広がるローマ帝国で展開された建築様式。ギリシア建築の柱と梁による楣式構造に代わって,アーチやドーム,ボールトといった架構によって巨大な公共建築が構築された。石造りのほかに煉瓦造りや一種のコンクリート造りが行なわれ,その外面にピラスター(付柱)を使用してギリシア以来のオーダーを表現する方法がとられた。柱の様式はギリシアの 3様式のほかにコンポジット式,トスカナ式が加えられた。歴代の皇帝は神殿,バシリカ,劇場,競技場,広場,浴場,凱旋門,道路,橋梁,水道などの建設を重ね,そのなかから都市が必要とする公共建築の概念が生まれ,ローマ帝国が建設する都市には必ずそれらがつくられた。この時代を代表する建物には,ローマのコロセウム,パンテオン,カラカラ帝の大浴場,チツス帝凱旋門,トラヤヌス帝記念柱,ガールの水道橋,ハドリアヌス帝のビラなどがある。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by