一式陸上攻撃機(読み)いちしきりくじょうこうげきき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一式陸上攻撃機」の意味・わかりやすい解説

一式陸上攻撃機
いちしきりくじょうこうげきき

第2次世界大戦中の日本海軍の主力中型爆撃機。一式陸攻と略称する。三菱重工業の本庄季郎技師が設計制作した双発機で,高性能を誇った。 1939年 10月に初飛行,1941年に制式採用され,日中戦争で初陣太平洋戦争では長航続力をいかしてマレー沖海戦をはじめ,初期の戦闘一連戦果を上げた。しかし防御能力には乏しく,ガダルカナルの戦いの頃からはすぐに火がつくので「フライング・ライター」などといわれ,甚大な損耗に苦しんだ。山本五十六連合艦隊司令長官が 1943年4月ブーゲンビル島上空で前線視察中,アメリカ軍のロッキードP-38ライトニングの攻撃を受け,撃墜されたのも本機である。末期には特攻機「桜花」の母機として使われた。エンジンが火星 (1530~1870馬力) 2,乗員7,全長 19.97m,総重量 9.5t,最大速度時速 427km,航続距離 2500~4300km。武装は 20mm機関砲1,7.7mm機関銃4,800kg爆弾1を搭載する。生産数は 2450機前後で,日本で最も多く作られた双発機となった。

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