一田両主(読み)いちでんりょうしゅ(英語表記)yi tian liang zhu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

一田両主
いちでんりょうしゅ
yi tian liang zhu

一般に土地所有関係が田面 (上地,うわじ) と田底 (底地,そこじ) のそれぞれの所有に分化し,一田について二重の所有関係が成立する慣行。その成立には,地主小作関係の発展より直接生産者耕作権が永代小作権として成立することが前提条件となるもので,中国では 14世紀なかばに耕作権の質入れの事例がみられ,その後明代から清,民国にかけて揚子江以南の華中,華南で広く認められている。その場合,田底所有者は田面所有者から地代徴収の収租権をもつが,田面それ自体は独立の物権として,田底所有者の意思にかかわりなく勝手に売買,質入れされた。そのため田面権の成立は,一方では直接生産者の地位上昇を意味したが,他方では収租権の対象となって細分化され,1田3主などの現象も生じて,地主小作関係を一層複雑深刻なものとした。この制度は,解放後の土地改革を待って初めて一般の地主制とともに完全に廃止された。

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