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華南 カナン

百科事典マイペディアの解説

華南【かなん】

中国南部,南嶺以南の珠江,および南東海岸へ流下する諸河川の流域一帯を中心とする地域。広東省・福建省・台湾および広西チワン族自治区が含まれる。気候は熱帯・亜熱帯的で,高温多湿,米作は行われるが,丘陵山地が多く,耕地に乏しい。華中華北に比較してなお経済・産業は未発達で,沿岸地域からは東南アジア方面に移住したものも多く,華僑(かきょう)送出地として有名。山地には非漢民族のミヤオ(),ヤオ(瑶),イ(彝)など少数民族が居住。
→関連項目中華人民共和国

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世界大百科事典 第2版の解説

かなん【華南 Huá nán】

中国の大地域名。南嶺以南,武夷山以東の中国南東部と南部の海に面する福建,台湾,広東3省および広西チワン族自治区にわたる地域をいうが,広東省と広西チワン族自治区だけを指すこともある。経済協作区としては広東省,広西チワン族自治区は中南区に,福建,台湾の2省は華東区に属する。南シナ海に点在する南海諸島を含むので,その南端は中国の主張によると北緯4゜に達する。【河野 通博】

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大辞林 第三版の解説

かなん【華南】

中国の南部、福建省と珠江流域にある広東・貴州・雲南の三省と、広西チワン族自治区から成る地方。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

華南
かなん / ホワナン

中国南部の地区名。広東(カントン)省、広西(こうせい/カンシー)チワン族自治区、海南(かいなん/ハイナン)省、福建(ふっけん/フーチエン)省を包括する。ただし新中国成立後の六大地域区分では広東、広西、海南は中南区に、福建は華東区に編入されているが、古くからの華南の概念がまったく否定されたわけではない。南嶺(なんれい/ナンリン)と武夷(ぶい/ウーイー)山脈などにより北方の長江(ちょうこう/チャンチヤン)(揚子江(ようすこう/ヤンツーチヤン))流域と隔てられ、南は北緯4度の曽母暗沙(そうぼあんさ)まで達する広大な南海諸島を含み、海南島もこの地区に属する。
 本土部の大部分は低い山地と丘陵からなり、その間を流れる河谷に沿って谷底平野と小デルタが発達する。最大の平野は珠江(しゅこう/チューチヤン)デルタである。全域亜熱帯気候を呈し、米作のほかサトウキビや熱帯果実の栽培が盛んで、海南島ではコーヒー、ゴムも栽培される。米は二期作が可能である。地下資源としてはタングステン、錫(すず)が豊富だが、珠江河口付近や北部湾(トンキン湾)には豊富な石油の埋蔵もみられる。広州(こうしゅう/コワンチョウ)、南寧(なんねい/ナンニン)、福州(ふくしゅう/フーチョウ)、厦門(アモイ)、汕頭(スワトウ)、深(しんせん/シェンチェン)、茂名(もめい/マオミン)をはじめ工業の盛んな都市も多く、また沿岸部には馬尾(ばび)、厦門、汕頭、黄埔(こうほ/ホワンプー)、湛江(たんこう/チャンチヤン)、防城(ぼうじょう)などの良港がある。広東、広西にはカルスト地形が広くみられ、桂林(けいりん/コイリン)など風光明媚(めいび)な観光地にも富む。歴史的には嶺南の地で、政治中心より遠かったが、古来南海貿易の基地として泉州、番禺(ばんぐう)(広州)などの港が発達し、アラビア商人も多く来航した。また太平天国革命はここに始まり、孫文(そんぶん/スンウェン)も広州を拠点に革命を図るなど、中国革命史上の史跡も多い。1980年代からの改革開放政策で厦門、汕頭、深、珠海(しゅかい/チューハイ)の4経済特区が置かれ、さらに海南島と多数の都市が経済開放区として認められた。先端技術を駆使する多くの近代的な工場が華僑や外資の合弁で建設され、急速に工業化が進展している地区がある。また1997年イギリスから返還された香港(ホンコン)特別区も本地区の一部である。[河野通博]

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