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一者 いっしゃto hen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

一者
いっしゃ
to hen

プラトン,プロチノス哲学において,世界の根源をなす第一の,最高の原理をいう。ここから,一ならざるもの,すなわち多者が発出する。これは近世形而上学においても,さまざまに形を変えて (神,主観,自我,実存など) 現れている。

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世界大百科事典内の一者の言及

【ギリシア哲学】より


[〈一者〉の追求]
 〈すべては水である,水こそ万物の始原(アルケーarchē)である〉というおおづかみな哲学をうち立てたタレスに始まって,煩瑣(はんさ)とも言いたくなるほどの細かい分析を得意にしたアリストテレスにいたるまでの期間はほぼ250年にすぎない。この短い期間にギリシアには多数の哲学が生まれ,多数の個性的な哲学者が輩出した。…

【新プラトン主義】より

…(1)〈世界の四重構造〉 世界は可視的物質界と三つの不可視なる原理的な力よりなる。それは〈魂psychē〉つまり生命力と,〈叡智nous〉つまり宇宙秩序の認識機能と,〈一者to hen〉つまりあらゆる対立を統合する絶対者である。一者は〈第一なるもの〉または〈善〉と呼ばれ,それ自体はまったく単純なものでありながら,その中にありとあらゆる多様性を潜在的に含んでいる。…

【プロティノス】より

…しかし彼の哲学上の立場は,当時のプラトン主義,たとえばアテナイの伝統的プラトン理解にくらべて独創性に富んでいる。有名な〈一者to hen〉の思想を例にとれば,彼はこの名辞によってプラトンにおいてなお解決されずにあった至高の存在の開明を目ざしている。すなわちイデアを超え,しかもイデアの創造者たる“無限の”存在者を追求する大胆な発想がここにはみられる。…

※「一者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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