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一職支配 いっしきしはい

大辞林 第三版の解説

いっしきしはい【一職支配】

中世後期から近世初頭、武家領主が一定地域(国・郡・領)を単位にして複雑な土地所有関係の上に設定した、さらに上級の一元的支配権のこと。織田政権の下で始められた。
太閤検地によって荘園制下の重層的な土地関係の精算がなされた段階での領主・農民の支配形態のこと。一職所有。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

一職支配
いっしきしはい

戦国期から近世初頭にみられる支配の形態。同じく一職支配とよばれているが、内容的には次の二つに大きく分けて考えられている。
(1)戦国大名の一円知行(いちえんちぎょう)を受け、一国あるいは郡を単位とした地域的支配権のことで、織田(おだ)政権のもとで始められたもの。一円支配権として信長によって上から設定された。その支配権を与えられた部将たちの支配形態が研究史上一職支配とよばれている。
(2)領主および農民の一職所有のこと。中世の荘園(しょうえん)制においては、職の分化、すなわち権利や所有の関係が百姓職(ひゃくしょうしき)、作職(さくしき)、下作職(げさくしき)などというように、重層的に分化しているのが一般的で、そうした重層的な土地関係の清算がなされた段階の支配形態をいう。豊臣(とよとみ)秀吉が行った太閤検地(たいこうけんち)は、一つの土地に諸種の権利が重複していたそれまでの土地制度を改め、「作合(さくあい)」といった中間搾取を否定するものとして取り組まれたもので、領主・農民間の関係を単系化した政策として評価される。一職支配によって、荘園制下の複雑な土地制度は一掃された。[小和田哲男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の一職支配の言及

【兵農分離】より

…彼らはもはや農民を抑圧する立場に転化したのであるが,領主と農民の間には一元的な支配・被支配の関係が成立し,中間的な存在は消滅する。これは一職(いつしき)支配と呼ばれ,兵農分離の結果もたらされた近世的な社会体制を意味している。
[商人・職人の形成]
 農業生産から遊離した名主百姓のなかには,武士化せずに商人・職人となる者もあった。…

※「一職支配」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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