日本大百科全書(ニッポニカ) 「丁一権」の意味・わかりやすい解説
丁一権
ていいっけん / チョンイルゴン
(1917―1994)
韓国(大韓民国)の軍人、政治家。咸鏡北道(かんきょうほくどう/ハムギョンプクド)慶源生まれ。満州国奉天軍官学校を経て、日本の陸軍士官学校に留学。1945年、満軍大尉としてソ連軍に捕らえられたが脱走帰国。南下して軍事英語学校卒業後、国防警備隊、韓国陸軍の幹部を歴任し、1950年の朝鮮戦争には三軍総司令官として参戦した。一時アメリカに留学したのち、軍首脳部に返り咲き、1956年合同参謀会議議長となったが、1957年退役して、駐トルコ、フランス、アメリカ大使を務め、1963年外務部長官となる。1964~1967年にわたり国務総理として朴正煕(ぼくせいき/パクチョンヒ)大統領を補佐し、1973年国会議長となった。1980年第五共和国の発足にあたり旧政治家として追放された。
[玉城 素]