咸鏡北道(読み)ハムギョンブクド

デジタル大辞泉 「咸鏡北道」の意味・読み・例文・類語

ハムギョン‐ブクド【咸鏡北道】

朝鮮民主主義人民共和国北東部、日本海に臨むどう。北は豆満江とまんこうを隔てて中国ロシア連邦と接する。道庁所在地は清津チョンジン。鉄などの地下資源に富み、スケトウ漁が盛ん。かんきょうほくどう。

かんきょう‐ほくどう〔カンキヤウホクダウ〕【咸鏡北道】

ハムギョンブクド

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精選版 日本国語大辞典 「咸鏡北道」の意味・読み・例文・類語

かんきょう‐ほくどうカンキャウホクダウ【咸鏡北道】

  1. 朝鮮民主主義人民共和国北東端、豆満江により中国・ロシアと隣接する道。朝鮮屈指の炭田、鉄鉱山があり、鉄鋼コンビナートが立地する。主都清津(せいしん)。ハムギョンブクド。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「咸鏡北道」の意味・わかりやすい解説

咸鏡北道
かんきょうほくどう / ハムギョンプクド

北朝鮮最北端の道。面積約1万6000平方キロメートル。行政区画は3市(清津(せいしん/チョンジン)、金策(きんさく/キムチェク)、羅津(らしん/ラジン))、13郡。道所在地は清津。地形はおおむね山地が優勢で起伏の差が大きい。咸鏡山脈が道中央を北東から南西に走っている。この山脈は傾動山地で、東斜面は急峻(きゅうしゅん)で北朝鮮の東海岸(日本海側)に迫っているが、西斜面は緩く白茂(はくも/ペクム)高原のような隆起準平原を形成している。平野は日本海沿いに輸送平野と漁郎平野が開けている。気候は、内陸高原は寒冷で年平均気温8℃であるが、海岸地方はそれより2℃高い。年降水量は600~800ミリメートルである。河川は、豆満江(とまんこう/トマンカン)が北部で中国、東部でロシア国境を界しながら日本海に注いでいる。

 本道の産業は、東洋一といわれる埋蔵量11億トンの茂山鉄山をはじめ、吉州(きっしゅう/キルチュ)の雲母(うんも)鉱、清津、羅津のニッケル鉱と会寧(かいねい/フェリョン)のコバルト鉱、鏡城、遊仙、会寧の高嶺(こうれい)土(陶磁器原料)など、豊富な地下資源に支えられている。また、豆満江下流沿岸と吉州・明川地溝帯の褐炭は全国生産量の80%を占めている。これら有利な立地条件によって、鉄山地茂山から清津地区の金策製鉄所、清津製鋼所、富寧冶金(ふねいやきん)工場、金策地区の城津製鋼所は一つのコンビナートを形成し、北朝鮮の二大金属工業基地の一つになっている。ここで生産されたケイ素鉄、クロム鉄、高速鋼、ベアリング、スプリング鋼などは国内各地の機械製作所へ供給されている。このほか阿吾地(あごち/アオチ)の石炭液化工場、明間化学工場(樹脂、火薬)、吉州パルプ工場、清津化学繊維工場、勝利化学工場があり、建材工業では古茂山セメント工場、朱乙(しゅおつ/チュウル)、会寧の陶磁器工場、会寧クラフト紙工場がある。

 水産業では漁業が基本になっているが、漁獲物中メンタイ(スケトウダラ)が総漁獲高の70%を占め、ついでサバ、ブリの順である。農業では耐寒性の強い大麻、ホップやトウモロコシなどが主産物である。

[魚 塘]

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百科事典マイペディア 「咸鏡北道」の意味・わかりやすい解説

咸鏡北道【かんきょうほくどう】

朝鮮民主主義人民共和国北東端の道。3市12郡。道都は清津。他に市は金策,会寧。羅津市は1993年9月に直轄市となり咸鏡北道から離れる。北西部に摩天嶺山脈,中央部に咸鏡山脈が走り,平野部は豆満江下流地帯と輸城川,漁郎川,南大川などの流域にすぎない。高地帯は大陸性気候だが,海岸部は対馬暖流の影響を受ける。高地帯ではジャガイモ,アワ,ヒエ,アマ,ホップなどの畑作が主。豊富な森林を利用して製材,パルプ工業が行われる。漁業はメンタイ,イワシ漁が盛ん。鉱産は磁鉄鉱(茂山),褐炭,泥炭,マグネサイト,石灰石など。海岸部は重工業地帯をなし,清津の製鋼,化学繊維,造船,ゴム,金策の製鉄,羅南の機械などがある。1万7570km2。232万7000人(2008)。→羅津・先鋒
→関連項目両江道

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「咸鏡北道」の意味・わかりやすい解説

咸鏡北〔道〕
かんきょうほく

「ハムギョンプク(咸鏡北)道」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の咸鏡北道の言及

【咸鏡道】より

…これらは,おおむね日中戦争のための軍需物資を供給する兵站(へいたん)基地となり,これを重視する立場は〈北鮮ルート論〉と呼ばれた。独立後朝鮮民主主義人民共和国は咸鏡北道の中心都市である清津,咸鏡南道の咸興を拡大して直轄市に昇格させる一方,蓋馬高原を中心とする地域を咸鏡南道から分離して両江道を設立するなど本道を行政的には2直轄市,3道に分割した。咸鏡北道の道都は金策,咸鏡南道の道都は新浦で,南北道は摩天嶺を境とする。…

※「咸鏡北道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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