万川集海

共同通信ニュース用語解説

万川集海

万川集海ばんせんしゅうかい 忍者発祥の地とされる伊賀(三重県)と甲賀(滋賀県)に伝わる忍術を事典のようにまとめた江戸時代の忍術書で「三大忍術伝書」の一つとされる。著者は藤林保武ふじばやし・やすたけで、1676年(延宝4年)に成立したと伝えられている。全22巻で構成し、忍者の心構えや活動の手法、道具や武器を使った忍術などを記述。かつて忍者がいた家に秘蔵され、数多くの写本が作られた。全ての川が海に集まることにちなみ「忍術の全てをまとめた書物」という意味で名付けられた。

更新日:2023年3月3日

出典　共同通信社 共同通信ニュース用語解説

世界大百科事典（旧版）内の万川集海の言及

【忍術】より

…家康は譜代の臣，服部半三保長･半蔵(服部半蔵)父子を通じて忍家を味方に引き入れ，徳川政権を確立するにあたりその忍者組織を秘密機関として活用した。伊賀，甲賀の忍術秘伝書を集大成した《万川（ばんせん）集海》が現存し，その技法もある程度知ることができる。たとえば〈七方出（しちほうで）〉といわれる七つの変装法や城営忍の術，家忍の術，また逃げ出す術としての〈五遁の術〉，これは木遁，火遁，土遁，金遁，水遁の5術である。…

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出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」