三ツ寺Ⅰ《遺跡》

山川 日本史小辞典 改訂新版 「三ツ寺Ⅰ《遺跡》」の解説

三ツ寺Ⅰ《遺跡》
みつでらいちいせき

群馬県高崎市三ツ寺町にある古墳時代の豪族居館跡。居館は全掘されていないが,約86m四方方形で,所々に方台形の張出し部があり,北隅には出入口を設ける。周囲には幅30~40mの濠をめぐらし,内側の斜面石垣をなす。居館内は周縁を二~三重の柵列で囲い,内側も柵で南北に二分される。北側には鍛冶工房を含む竪穴住居跡群があり,南側には正殿と考えられる大型掘立柱建物跡,井戸,石敷の祭祀遺構が配される。木樋(もくひ)を架けた水道橋の導水施設があり,祭祀遺構に通じている。子持勾玉(まがたま)をはじめ200点をこえる石製模造品や,木製剣・刀などの儀器が出土。5世紀後半~6世紀初め頃の所産で,北西にある保渡田(ほとだ)古墳群はこの居館に住んだ豪族の墓という。豪族居館の実態をはじめて明らかにした。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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