三万谷村(読み)さんまんだにむら

日本歴史地名大系 「三万谷村」の解説

三万谷村
さんまんだにむら

[現在地名]美山町三万谷

足羽川の支流、三万谷川(田尻川)の谷奥にあり、ひがし西にしかみの三垣内からなる。福井藩領。慶長一一年(一六〇六)頃の越前国絵図では南宇坂中みなみうさかなか郷に含まれる。寛永元年(一六二四)の越前国郷帳(斎藤家文書)には「福松村」とあり、正保郷帳以降三万谷村となった。

当地は朝倉氏の居城一乗城山いちじようしろやまの北東山麓にあるため朝倉氏にちなむ伝説や遺跡が多い。慶長三年の三万谷村検地帳(道屋氏蔵)では、当時、西垣内の裏山麓字大鹿おおしかに屋敷地の集中していたことが知られる。また上垣内西方の字卵塔らんとうからは近年、応永二一年(一四一四)・文明一〇年(一四七八)・永正二年(一五〇五)などの銘を有する五輪石が多数発見され、寺坊跡であることが立証され、深岳しんがく寺跡とみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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