精選版 日本国語大辞典 「三全音」の意味・読み・例文・類語 さん‐ぜんおん【三全音】 〘 名詞 〙 全音三つからなる音程(例、ファ・ソ・ラ・シ)。古来和声的に不協和で、旋律的にも歌いにくい音程とされたが、ワーグナー以後、特に無調音楽や十二音音楽では好んで用いられた。増四度音程。トリトヌス。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「三全音」の意味・わかりやすい解説 三全音さんぜんおんtritone 英語Tritonus ドイツ語tritono イタリア語 音楽用語。三つの全音からなる音程関係、すなわち、ヘ音―ロ音、ハ音―嬰(えい)ヘ音などの増4度音程のこと。ただし平均律では、ロ音―ヘ音、ハ音―変ト音などの減5度音程もまた、三つの全音を含むために三全音とよばれる。この音程は不協和音程で歌いにくく、中世の多声音楽では「音楽の悪魔」diabolus in musicaとさえいわれ、使用が禁じられていた。しかし、古典派以後の音楽ではこの和声的効果がかえって愛好され、しばしば用いられるようになった。[黒坂俊昭][参照項目] | 音程 | 全音 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例