全音階を構成する2種の基本単位となる音程のうち、大きいほうを全音、その半分にあたる小さいほうを半音という。全音はまた一全音(長二度)、二全音(長三度)などと音程を表示する単位として用いられることもあり、一全音を略して一音という。全音階は五つの全音と二つの半音からなっており、さらに最小単位である半音のみで分割すると、一オクターブは12半音となる。半音には、全音階中や隣接二音上に生じる短二度をなす全音階的半音と、半音階的変化によって同度上に形成される増一度をなす半音階的半音の2種がある。全音も半音もその幅は音律によって微妙に異なり、いくつかの種類がある。たとえば全音を例にとってみると、平均律ではすべて全音は200セントであるが、純正律では大全音(204セント)と小全音(182セント)の2種が生じ、中全音律ではすべて中全音(193セント)がとられる。半音はさらに複雑に変化する。
[南谷美保]
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