上中之地蔵町(読み)かみなかのじぞうちよう

日本歴史地名大系 「上中之地蔵町」の解説

上中之地蔵町
かみなかのじぞうちよう

[現在地名]伊勢市桜木さくらぎ

下中之地蔵町の南にある。中之地蔵は、かつて当地にあった長峰山地蔵院の位置が、両宮の中間にあたることによる称で、これより南を上中之地蔵、北を下中之地蔵といった(宇治山田市史)近世、遊楽地として参宮者で賑い、付近一帯は長峰ながみね(嶺)とも間山あいのやまとも称された。西鶴「好色一代女」に「神風や伊勢の古市、中の地蔵といふ所の遊山宿」などとみえる。宇治会合所の所管業務を記した宇治会合古格仕来書(神宮文庫蔵)に「内宮間山、上中之地蔵町、下中之地蔵町、古市町之義は参道之義故、茶屋商売仕候もの多く居住仕候間、毎月三日其町々年寄始町中不残連印を以不法之義為無之、会合所におゐて証文取来候事」と記され、参宮者相手の商売は宇治会合所の取締のもとにあったことがうかがえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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