間山(読み)あいのやま

精選版 日本国語大辞典 「間山」の意味・読み・例文・類語

あい‐の‐やま あひ‥【間山】

[1]
[一] 三重県伊勢市の地域名。伊勢神宮の内宮と外宮との間にあった旧街道間(あい)の道の、牛谷坂と尾部坂の間の丘陵近世には、参拝客相手の物もらい大道芸人が集まり、間の山節や松原踊りなどの興行でにぎわった。
[二] 「あいのやまぶし(間山節)(一)」の略。
浄瑠璃傾城反魂香(1708頃)中「只の時さへあひの山、聞ば哀れで涙がこぼれる」
[2] 〘名〙
① 「間山節(あいのやまぶし)(一)」をうたって歩く物乞い
※歌舞伎・三人吉三廓初買(1860)五幕「これこれ相(アヒ)の山(ヤマ)どの、ちっと内に取込があるから、早く隣へ行って下せえ」
② 「あいのやまぶし(間山節)(二)」の略。〔東京語辞典(1917)〕

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日本歴史地名大系 「間山」の解説

間山
あいのやま

なが峰とか宇治岡うじがおかなどともいう。伊勢神宮の内・外宮はともに低地にあるが、その間は台地で宇治側には牛谷うしたに(浦田坂とも)、山田側には尾上おべ(尾部坂)があり、二つの坂の間にあって、両宮の間にあるところから間山といわれた。「勢陽雑記」は「間ノ山ハ皆尾部山ナルヘシ」としている。「太神宮諸雑事記」の治暦四年(一〇六八)九月の条に「宇治岡之東、字陽田片岸」とあり、「吾妻鏡」の治承五年(一一八一)一月五日条に「江四郎経太神宮御鎮坐神道山隠宇治岡」とある。

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