事典 日本の地域ブランド・名産品 「上勝のつまもの」の解説
上勝のつまもの[その他(工芸以外)]
かみかつのつまもの
主に勝浦郡上勝町で生産されている。料理に添えて季節感を演出する花や木の葉、小枝などをつまものと呼ぶ。1981(昭和56)年の大寒波で、当時の上勝町で主な産業であったみかんが全滅、人口も1980年代には3,000人を切って高齢化が進んでいた。こうした危機を乗り越えるため、上勝町の農協職員だった横石知二が、つまものを商売にすることを発案。高齢の女性が中心となって付近の山林で花や葉を拾い、谷川の清水で洗った後、全国各地へ出荷している。当初は電話・ファックスの受発注が中心であったが、1998(平成10)年から産地情報・生産技術・販売情報の共有をはかるネットワークが構築され、市場のニーズを細かく把握して生産者宅に注文・出荷情報を伝える仕組みが築かれた。現在、そのビジネスモデルが注目され、各地から多くの視察者が上勝町を訪れている。
出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報