上姉体村(読み)かみあねたいむら

日本歴史地名大系 「上姉体村」の解説

上姉体村
かみあねたいむら

[現在地名]水沢市姉体町あねたいちよう

須江すえ村の東、北上川右岸の氾濫原に立地し、上姉体河岸がある。南は下姉体村で、近世初期までは二村合せて姉体(姉帯)郷・姉体村と称し、のち二村に分れた。林前はやしまえから真城しんじよう迎畑むかえはたにかけての低い台地上に林前遺跡がある。昭和五三年(一九七八)の調査で四群の竪穴住居群と、それらが共有したと思われる掘立柱建物・井戸からなる集落跡が発見された。九世期初め頃の遺跡であること、「和名抄」の胆沢いさわ余戸あまるべ郷に由来すると思われる余目あまるめという地名に隣接すること、非在地的な住居構造がみられることから、律令政府の編戸によって成立した計画村落と推定されている。

永正四年(一五〇七)一一月二六日、隣接する小山おやま馬籠まごめ館主馬籠長之助は小山郷・姉帯郷など五郷で計一七〇貫文の知行を与えられている(「葛西左衛門尉宛行状」奥州葛西文書)。天正一六年(一五八八)四月二八日の葛西晴信知行宛行状(胆沢大内文書)では「姉体村に相添」、中野なかの村の五千刈が大内源次郎に宛行われている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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