上笠間村(読み)かみかさまむら

日本歴史地名大系 「上笠間村」の解説

上笠間村
かみかさまむら

[現在地名]室生村大字上笠間

小原おはら村の東にあり、名張なばり川支流の笠間川流域の渓谷村。先史時代縄文後・晩期の遺跡もあるが、文献上は長治元年(一一〇四)八月一三日の東大寺司料米切符(東大寺文書)に「笠間筏師、有末依末等 合八人之飯料」とあり、大治三年(一一二八)七月の同寺荘園目録に「笠間庄」とあるうち、かみ郷は旧山辺郡の当村である。伊賀(現名張市)に隣接していたため、鎌倉時代には伊賀国の御家人悪党が度々侵入している(筒井英俊氏蔵文書、東大寺文書)

「大乗院雑事記」文明一五年(一四八三)七月一一日条には「上笠門ハ一跡悉以申置多田息、自身ハ遁世」とあるので、上笠間へ多田氏の子息が入り跡を継いだことがうかがえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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