日本歴史地名大系 「上野国郡村誌」の解説
上野国郡村誌(郡村誌)
こうずけのくにぐんそんし
三〇巻
解説 明治五年九月二五日の太政官布告によって進められた「皇国地誌」編纂に際し、同八年六月五日の太政官達で提出を命じられた「郡誌」と「村誌」。「村誌」の調査項目は村名・疆域・管轄沿革・字・牛馬・山川・道路・寺社・古跡・物産・民業など三二項目に及ぶ。群馬県では八年七月に編輯掛を設置、一一月に例則を示し、九年一〇月には碓氷郡の分がほぼ全部提出され、一〇年八月に修史館に提出している。一一年には全県下からの提出が完了する。記された数値はほぼ八年現在のものであるが、項目未記入などによって再提出をさせている地域や、訂正作業過程で編輯掛掛員が直接現地に出かけて再調査した地域などもあって、一五年頃までの補などもある。修史館に提出された稿本は大正一二年の関東大震災で焼失、草稿が群馬県議会図書室に残る。昭和五二年より刊行、既刊一三冊。邑楽郡の分は明治二二年一一月に邑楽郡役所より「群馬県邑楽郡町村誌材料」として刊行されている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報