上阿波村(読み)かみあわむら

日本歴史地名大系 「上阿波村」の解説

上阿波村
かみあわむら

[現在地名]大山田村上阿波

山田郡の最東端、東・南は伊勢国に接する。標高五〇〇―七〇〇メートルの山に囲まれ、阿波川が当村東部の那須野原なすのはら山より発し西流し、南山地より高良城こうらぎ川、北山地より島野しまの川が流れ入り、汁付しるつけ元町もとまちの集落を形成している。さらに北山地より東谷ひがしだに川・子延ねのび川・西谷にしたに川が落合い、そこに子延集落を作り、阿波川と合して服部はつとり川となる所に平松ひらまつの集落をつくる。伊賀街道は東西に横断し、長野ながの峠を越えて伊勢国に出る。那須野原山の渓谷に沿って伊勢国に至る間道は、いわゆる河内こうち道で、途中、伊賀越とよばれる峠がある。

建久元年(一一九〇)一二月一二日付源頼朝下文(東大寺続要録)に「山田郡内有丸并広瀬阿波杣山」とあり、東大寺領の阿波杣山の東部に発展した村である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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