下伏し(読み)シタブシ

デジタル大辞泉 「下伏し」の意味・読み・例文・類語

した‐ぶし【下伏し/下×臥し】

物の陰や下にふすこと。
「さを鹿の声ぞ悲しき露むすぶいはだのを野の萩の―」〈夫木・一一〉
うつぶせになること。下向きになること。
洋灯炎尖ほさきが―になって、ちらりと蒼く消えようとする」〈鏡花・葛飾砂子〉

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精選版 日本国語大辞典 「下伏し」の意味・読み・例文・類語

した‐ぶし【下伏・下臥】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物の下に伏すこと。
    1. [初出の実例]「木のもとの花のしたぶし夜ごろへてわが衣手に月ぞ馴れぬる」(出典:金槐和歌集(1213)春)
  3. うつぶせになること。下向きになること。
    1. [初出の実例]「洋燈の炎尖(ほさき)が下伏(シタブシ)になって、ちらりと蒼く消えようとする」(出典:葛飾砂子(1900)〈泉鏡花〉四)
    2. 「横になっても、下伏しになっても」(出典:断橋(1911)〈岩野泡鳴〉三)

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