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金槐和歌集 きんかいわかしゅう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

金槐和歌集
きんかいわかしゅう

鎌倉時代前期の私家集源実朝著。1巻。書名の「金」は鎌倉の「鎌」の金偏をとったもの,「」は槐門 (大臣) 。「鎌倉右大臣家集」の意。藤原定家所伝本,群書類従本,貞享4 (1687) 年板本の3系統がある。定家所伝本はその奥書から建暦3 (1213) 年成立と考えられ,663首を収める。群書類従本は 719首,貞享4年板本は後人の改編に成るもので,他人の歌を含め 719首から成る。作品の多くは先行作品からの著しい影響が認められるが,作者独特の感覚や個性のうかがえる作も少くない。古今風,新古今風のものに混って,万葉風や,さらに独自の風格の歌が,特に雑歌などにみられる。それらが中世和歌のなかで異彩を放っているため,江戸時代に賀茂真淵が称揚し,近代では正岡子規斎藤茂吉らが絶賛している。

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デジタル大辞泉の解説

きんかいわかしゅう〔キンクワイワカシフ〕【金槐和歌集】

《「金」は「鎌」の偏、「槐」は大臣の意》鎌倉3代将軍源実朝の私家集。1巻。建暦3年(1213)成立か。約700首を、春・夏・秋・冬・恋・雑に分類。万葉調の力強い歌風が特徴。金槐集。鎌倉右大臣家集。

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百科事典マイペディアの解説

金槐和歌集【きんかいわかしゅう】

源実朝の家集。《鎌倉右大臣家集》とも。〈金〉は鎌倉の鎌の偏,〈槐〉は大臣の意。諸本があるが,藤原定家の伝える写本によれば,建暦3年(1213年)12月成立,実朝22歳ごろまでの作品集で,歌数は663首。
→関連項目歌よみに与ふる書相模川私家集

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世界大百科事典 第2版の解説

きんかいわかしゅう【金槐和歌集】

源実朝(みなもとのさねとも)の家集。1巻。1213年(建暦3)成立。《鎌倉右大臣家集》ともいい,《金槐》の書名は,〈鎌〉字の偏と大臣の異称槐門とによる。藤原定家の伝える写本のほか流布本に1687年(貞享4)板本・群書類従本の2系統があり歌数約700首。模倣的な習作群のなかにあって,〈萩の花くれぐれまでもありつるが月いでて見るになきがはかなさ〉など清新な感覚・陰翳に富む青年の心の姿を伝える秀歌も多く,賀茂真淵,正岡子規,斎藤茂吉,小林秀雄らに称揚された。

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大辞林 第三版の解説

きんかいわかしゅう【金槐和歌集】

〔「金」は鎌倉の「鎌」の偏、「槐」は大臣の意〕
歌集。一巻。源実朝の家集。1213年頃成立、のち増補。歌数約七百首。万葉調の歌に佳作が多い。鎌倉右大臣家集。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

金槐和歌集
きんかいわかしゅう

鎌倉幕府第3代将軍源実朝(さねとも)の家集。「鎌倉右大臣家集」ともいう。「金槐」の「金」は「鎌倉」の「鎌」の偏、「槐」は「槐門」(大臣の位)の略で、鎌倉右大臣とよばれた実朝の家集を意味するといわれる。伝本は、藤原定家筆で、末尾に「建暦(けんりゃく)三年(1213)十二月十八日」(実際は12月6日建保(けんぽう)と改元)と記し、1213年成立の実朝(当時22歳)自撰(じせん)とみられるものと、末尾に「柳営亜槐(りゅうえいあかい)」(将軍で大納言(だいなごん)を兼ねた人。室町将軍足利義政(あしかがよしまさ)をさすか)の奥書を有し、1687年(貞享4)の板本に代表される他撰本の2種が存在する。建暦三年本は、春・夏・秋・冬・賀・恋・旅・雑に分類した663首を収め、実朝の絶唱「箱根路をわれ越えくれば伊豆の海や沖の小島に波の寄る見ゆ」「大海の磯(いそ)もとどろに寄する波われて砕けて裂けて散るかも」「山は裂け海はあせなむ世なりとも君にふた心わがあらめやも」などの、万葉調とも王侯調ともいうべきおおらかで重厚味ある歌の大部分を含む。柳営亜槐本は、建暦三年本の歌に56首を増補し、春・夏・秋・冬・恋・雑に分類し直した再編本で、「もののふの矢並つくろふこての上にあられたばしる那須(なす)のしの原」などを収める。実朝の歌は、賀茂真淵(かもまぶち)、斎藤茂吉、小林秀雄、吉本隆明(たかあき)、中野孝次らから高く評価されている。[樋口芳麻呂]
『樋口芳麻呂校注『新潮日本古典集成 金槐和歌集』(1981・新潮社) ▽風巻景次郎・小島吉雄校注『日本古典文学大系29 山家集・金槐和歌集』(1961・岩波書店)』

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