下垂体機能亢進症(読み)かすいたいきのうこうしんしょう(その他表記)hyperpituitarism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「下垂体機能亢進症」の意味・わかりやすい解説

下垂体機能亢進症
かすいたいきのうこうしんしょう
hyperpituitarism

下垂体を構成する前葉と後葉のそれぞれに起る機能亢進症。前葉の機能亢進症は,ホルモン分泌能力をもつ細胞の増殖 (腫瘍過形成) によってホルモンが過剰に分泌されることで起る (→エオジン好性腺腫 ) 。成長ホルモンの過剰が青春期に起ると先端巨大症となり,発育期に起ると巨人症となる。成長ホルモンは血液中,尿中で増加し,一般に甲状腺刺激ホルモンも増加するが,副腎皮質刺激ホルモン (ACTH) は正常である。また,下垂体に腺腫が生じて ACTHの分泌が増加すれば,クッシング症候群が起る。後葉の機能亢進症としては,抗利尿ホルモン (バソプレッシン) 分泌異常症候群というまれな疾患がある。これは,ホルモン産生腫瘍のほかに脳,髄膜疾患などで認められることがある。

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