下立・降立(読み)おりたつ

精選版 日本国語大辞典 「下立・降立」の意味・読み・例文・類語

おり‐た・つ【下立・降立】

〘自タ五(四)〙
① 馬や乗物などからおりて地上に立つ。高い所からおりて地上に立つ。
古事記(712)中「爾に御船に入れし楯を取りて下立(おりたち)たまひき」
② 川や田など、水のある低い所におりて行く。田にはいって働く。
※忠見集(960頃)「すのりゐるぬまかはみづにおりたちてとるにもそでぞまづぞほしぬる」
③ 自分で手を下して物事を行なう。立ち入ってふるまう。
蜻蛉(974頃)下「焼米(やいごめ)せさせなどするわざに、おりたちてあり」
④ 身も心も打ち込む。熱中する。懸命になる。
源氏(1001‐14頃)行幸「今はことつけやり給ふべき滞りもなきをと、をりたち聞え給へど」

おり‐たち【下立・降立】

〘名〙 (初めて田におりたつ意) 福岡県北部の農家で水田作業を始めるときの祝宴。その年の雇い人を招く。下り立ち祭。下り立ち祝い。〔分類農村語彙(1947‐48)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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