下鳥渡供養石塔(読み)しもとりわたくようせきとう

国指定史跡ガイド 「下鳥渡供養石塔」の解説

しもとりわたくようせきとう【下鳥渡供養石塔】


福島県福島市下鳥渡にある板碑。もとは陽泉寺背後の丘にあったが、現在は境内で覆屋の中に置かれている。高さ約170cm、幅約115cmで板状の石塔。鎌倉時代に造られたもので、安山岩質凝灰岩の石面を磨いて、表面に阿弥陀如来を中心にした阿弥陀三尊の姿が浮き彫りになっている。左側に「右志者為悲母也平氏女敬白」(右こころざしは母を悲しむためなり。平氏女敬白)とあり、平家ゆかりのある女性が母の供養のために建てたものであることがわかる。また、建てた年代も1258年(正嘉2)であると刻まれている。1935年(昭和10)に国指定史跡となった。近隣で同時代の板碑が数基発見されており、文献の少ない鎌倉時代の福島市周辺の歴史を知るにあたっては貴重な歴史資料である。JR東北本線南福島駅から車で約14分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android