不審紙(読み)フシンガミ

デジタル大辞泉 「不審紙」の意味・読み・例文・類語

ふしん‐がみ【不審紙】

書物の中の不審な所に、しるしとしてつける紙。付け紙。付箋ふせん

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精選版 日本国語大辞典 「不審紙」の意味・読み・例文・類語

ふしん‐がみ【不審紙】

  1. 〘 名詞 〙 書物の中の疑問箇所につけてしるしとする紙。つけがみ。付箋(ふせん)
    1. [初出の実例]「此不審紙所々被御覧候て可示給候」(出典:十輪院内府記‐文明一一年(1479)一〇月三日至二三日紙背(三条西実隆書状))

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「不審紙」の意味・わかりやすい解説

不審紙
ふしんがみ

書物の疑問の箇所や、写し取りたい箇所に、目印のためにかりに貼(は)っておく紅や青などの小紙片。現在でも、江戸後期から明治にかけての四書五経などにみかけることがある。紅紙の裏に薄い糊(のり)を塗り、乾いてから上部を残して3ミリ幅くらいに切り、五筋(すじ)くらいに畳んで上部を紙縒(こより)で綴(と)じ、薄板の小版をつけておくとよい、と『雅遊漫録』(大枝流芳著、1763刊)にある。ちぎって唾(つば)で貼れば便利で、解決後はがしやすいためであろう。「つけがみ」ともいい、附紙、紙簽、紙貼などの字をあてる。

[木村八重子]

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