付箋(読み)フセン

デジタル大辞泉 「付箋」の意味・読み・例文・類語

ふ‐せん【付箋/附箋】

疑問や注意すべき事柄などを書いてはりつける小さな紙片。また、目印にはる紙。付け紙。不審紙
[類語]ラベルレッテル荷札名札貼り札貼り紙鑑札伝票証票証紙割り符ステッカーゼッケンシールワッペンカードタグネームプレート

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精選版 日本国語大辞典 「付箋」の意味・読み・例文・類語

ふ‐せん【付箋・附箋】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 疑問・不審または、その他の必要なことを書いて、はりつける小さな紙片。また、目印のためにはりつける紙。不審紙。〔英和商業新辞彙(1904)〕
  3. ( ━する ) 宛名の誤っている郵便物に正しい宛名などを書いてはりつける紙。また、その紙を付けること。
    1. [初出の実例]「電報の誤達を受けたる者は、其の事由を記載したる付箋を為し直に之を著信局所に返付すべし」(出典:逓信省令第四十六号‐明治三三年(1900)九月一日)

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改訂新版 世界大百科事典 「付箋」の意味・わかりやすい解説

付箋 (ふせん)

古文書学の用語の一つ。疑問,覚書きなど必要なことを記して,一端にのりをつけ文書書物にはりつける小紙片。なにも書かずに単に目印とすることもある。付け紙,貼り紙ともいうが,その場合は小片に限らない。また全面にのりを塗ってはりつけるものは押紙(おうし)といって区別する。別紙を用いずに本文の対応部分に直接書き入れる場合は〈書込み〉といい,これが本文上欄の余白にあれば頭注,下欄にあれば脚注というが,まとめて注記ともいう。また巻物では,裏面に注記をつけることが多いが,これを〈裏書〉といい,その巻物を折本(おりほん)などに仕立て直す場合に裏書を本文へ書き入れることを〈裏書分注〉という。古文書学をはじめとして,付箋やこれらの注記は,文書や書物の内容がどのように受け取られ,研究されてきたかを知るうえで重要な手がかりとなり,詳細な注解であればそれで一つのテキストとなる。
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とっさの日本語便利帳 「付箋」の解説

付箋

書籍書類に、目印として貼付するための紙。通常は長さ五~六cmの短冊状の白い紙で、先端が赤く着色されている。いろいろなタイプが売られており、色や形も豊富にある。それらを使い分けることによって、目印を分類することもできる。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

世界大百科事典(旧版)内の付箋の言及

【懸紙】より

…それゆえ,懸紙という概念ははなはだ漠然としており,正確には封紙,包紙,礼紙という言葉を使ったほうがよい。【上島 有】 また文書に貼付(てんぷ)された付箋の一種で本文を増補・削除または訂正する目的をもった紙片をもいう。付箋は通常,紙片の一端にのりをつけて付すのに対し,紙片の上下にのりづけして固定する形式のものをとくに懸紙と称する。…

【下札】より

…下紙(さげがみ)ともいう。江戸時代の公文書に貼付された付箋の一種で,文書の下の周縁部にはり下げた紙片。下札の記載内容は種々であるが,はった上部の本文の記述についての訂正,意見,理由,補足説明などを記したものが多い。…

【付札】より

…江戸時代,公文書に貼付された付箋の一種で指令,意見,返答などを記すのに用いられた。付紙,張札とも称する。…

※「付箋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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