精選版 日本国語大辞典 「不懲に」の意味・読み・例文・類語
こりずま‐に【不懲に】
- 〘 副詞 〙 前の失敗に懲りることなく再びすることを示す。しょうこりもなく。懲りもせず。
- [初出の実例]「こりずまに又もなき名はたちぬべし人にくからぬ世にしすまへば〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋三・六三一)
不懲にの補助注記
( 1 )「こる(懲)」の打消「こりず」の連用形に上代を中心に見られる接尾語「ま」が付き、さらに「に」を伴って連用修飾語をつくったもの。同じ構成の語には「あはずまに」がある。
( 2 )和歌では、「風をいたみくゆる煙のたちいでても猶こりすまのうらぞこひしき〈紀貫之〉」〔後撰‐恋四〕のように「こりずまの浦」と、地名「須磨の浦」との掛詞になる場合が多い。