不登校特例校(読み)ふとうこうとくれいこう

共同通信ニュース用語解説 「不登校特例校」の解説

不登校特例校

不登校生の実態に配慮した授業時間の削減習熟度に応じた柔軟な教育プログラムを実施できる学校文部科学省から指定を受ける必要があり、4月時点で公立と私立合わせて10都道府県に24校ある。文科省によると、全国の小中学校で2021年度に30日以上欠席した不登校の児童生徒は24万4940人で過去最多となった。うち小学生は8万1498人、中学生は16万3442人。学校が判断した小中学生の不登校理由は「無気力・不安」が最多の49・7%を占めた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「不登校特例校」の意味・わかりやすい解説

不登校特例校
ふとうこうとくれいこう

学習指導要領にとらわれず、不登校生の実態に配慮した特別な教育課程をもつ学校。正式名は「不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校」で、文部科学大臣が指定する。構造改革特区での規制緩和一環として、2004年(平成16)に東京都八王子市の高尾山(たかおさん)学園に初めて導入され、2005年に学校教育法施行規則改正で制度化されて全国に広がった。学習指導要領の規定に縛られず、不登校の児童・生徒にあったカリキュラムを整えており、(1)年間総授業時間を750~770時間程度と規定より1~2割抑える、(2)習熟度別や、学年の枠を超えたクラス編成をする、(3)体験型学習、校外学習、ボランティア活動に力を入れる、(4)教室に入るのが苦手な子供に適した小グループ指導や個別学習の時間を設ける、(5)専任教員増員スクールカウンセラーを設置する、などの柔軟な対応をとる特例校が多い。都道府県や市町村の枠を超え、遠方から入学する児童・生徒が多いという特徴をもつ。2017年施行の教育機会確保法(正式名称「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」、平成28年法律第105号)は、不登校特例校の整備を国や自治体の努力義務としている。2022年(令和4)4月時点で、全国に21特例校がある。

[矢野 武・編集部 2022年11月17日]

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