不老山(読み)ふろうさん

日本歴史地名大系 「不老山」の解説

不老山
ふろうさん

[現在地名]鳴瀬町野蒜

鳴瀬川河口右岸にある小岩峰。「野蒜村安永風土記」には「念仏壇山。高五丈余、(中略)此山上ヨリ見得渡候遠近之所共、御絵図別紙ニ御書上仕候事」とある。また同山の上にあった念仏壇も記され、高さ四尺、二間四方としている。不老山の名の由来は「此の山、もと念仏壇と名づけぬ。綱村君嘗てに遊び、其勝を賞美し、其の名の雅ならざるを悪みて、絶勝の地、人をして老いざらしむに足るとて、今の名に更めたまへりとなり」と「松島勝譜」に説明される。四代藩主綱村の治世は元禄(一六八八―一七〇四)の頃のため、不老山の雅名改称が地元には通じていなかったらしいことが前掲風土記からうかがわれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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