且来庄(読み)あつそのしよう

日本歴史地名大系 「且来庄」の解説

且来庄
あつそのしよう

かめの川中流域の南岸、現且来の地を荘域とする。「和名抄」に旦あつそ郷が記されるが、平安時代には同郷内の岡田おかだ多田おおた小野田おのだ坂井さかい・且来などが三上みかみ院内の郷として分立、且来庄はこれら分立後に残った且来郷を荘域として立荘されたものと思われる。旦来庄とも記される。

立荘の経緯とその伝領については不明であるが、「門葉記」所収の弘長三年(一二六三)三月二二日付の官御祈願所注進状に「紀伊国米六十石」が記され、「件国等米油、如意輪法三月々宛料也、紀伊国便補旦来庄、領家縫殿助順任」とある。また鎌倉時代の年未詳宮中便補地由緒注文案(壬生家文書)にも「永業宿禰(ママ)知行所々」の一つとして「紀伊国旦来保 順任知行之」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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