中浦部(読み)なかうらべ

日本歴史地名大系 「中浦部」の解説

中浦部
なかうらべ

中世にみえる広域通称名で、中浦目なかうらめとも記される。浦部島の中央部をさしたと考えられるが、同じく島の西部をいう西浦部のうち南部にあたる下浦部との境は判然としない。史料上は現上五島町奈摩郷なまごうから若松わかまつ宿之浦郷しゆくのうらごうにわたる一帯に比定される。弘安九年(一二八六)一〇月二日の白魚弘高避状案(青方文書、以下同文書)に「なかうらへ」とみえ、当地の白魚しろいお(現若松町)が弘高から白魚盛高に避渡されている。この白魚は元徳二年(一三三〇)佐保さほ(現同上)とともに盛高より嫡子千代鬼丸(繁)に譲られた(同年五月四日白魚盛高譲状案)。正安四年(一三〇二)白魚行覚が「五島中浦部」の田地二町分として姪浜めいはま(現福岡市西区)の要害構石築地役(一尺七分高破損など)を勤めている(同年一〇月一五日肥前国守護代平岡為政覆勘状案)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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