日本大百科全書(ニッポニカ) 「久我家文書」の意味・わかりやすい解説
久我家文書
こがけもんじょ
村上源氏の嫡流久我家に伝来した古文書の総称。久我家は七清華(しちせいが)家の一つ。時代は平安末期から明治期に及び、その数およそ2000点。中世の久我家領に関するものが基幹。鎌倉初頭を下らないとされる「久我家領目録」によれば、盛時には29か国67か所の荘園(しょうえん)を有したが、そのうち山城国(やましろのくに)久我庄(こがのしょう)に関する文書が量・質ともに注目される。近世のものでは「当道(とうどう)」(盲人)支配関係史料が著名。現在、国学院大学図書館所蔵。『国学院雑誌』1957年5月号より1968年2月号まで89回にわたり主要なものの翻刻をみたが、1982年より1987年にかけて全5冊で同大学より『久我家文書』として刊行された。
[橋本政宣]