久米の平内(読み)くめのへいない

精選版 日本国語大辞典 「久米の平内」の意味・読み・例文・類語

くめ‐の‐へいない【久米平内・粂平内】

  1. [ 一 ] 江戸初期の伝説的武士。姓は兵藤、名は長守。九州の人。通称平内兵衛。浪人となって江戸赤坂に道場を開き、夜々、辻斬りを行なったが、のち、以前の行ないを改めて、鈴木正三に仁王座禅を学び、浅草金剛寺で専念する。天和三年(一六八三)没という。
  2. [ 二 ] 東京浅草の浅草寺(せんそうじ)に安置された石作りの坐像。平内が罪業消滅を願って人々に踏み付けてもらうために刻んだ自像という。のち、「踏付け」が「文付け」に解されて縁結びの神とされ、願掛けに文を納める風習が生じた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android