平内(読み)ひらない

改訂新版 世界大百科事典 「平内」の意味・わかりやすい解説

平内[町] (ひらない)

青森県北部,東津軽郡の町。人口1万2361(2010)。陸奥湾中央に突出した夏泊(なつどまり)半島の全域とその南部を占める。中央部をJR東北本線(東北新幹線,八戸~青森間の開業に伴い,青い森鉄道となる)が東西に走り,青森市に通じている。中世には南部氏の支配下にあり,戦国期には津軽氏との争奪の地となったが,近世は黒石藩領で,東端の狩場沢と野辺地町馬門(まかど)の間には南部藩との藩境塚が置かれた。中心の小湊は夏泊半島東岸の要地で,奥州街道が通じ藩の代官所が置かれていた。小湊港は第2次大戦中に青森港の補助港として整備された。海岸部で大正初期以降行われてきたノリ養殖は1960年ころから減少し,代わって70年ころからホタテガイ養殖が急増した。清水川地区を中心に県の約1/2の生産量をあげ,ホタテ加工業も盛んである。稲作は〈やませ〉による冷害にしばしば襲われ,近年は花卉栽培にも力を入れている。夏泊半島海岸は浅虫夏泊半島県立自然公園に指定されており,浅所海岸はハクチョウの飛来地(特天),北端の椿山はツバキの自生北限地(天)として有名である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報