辻斬り(読み)ツジギリ

デジタル大辞泉 「辻斬り」の意味・読み・例文・類語

つじ‐ぎり【×辻斬り】

昔、武士刀剣切れ味自分の腕を試すために、往来通行人を斬ったこと。また、それを行う者。特に江戸初期には禁令が出るほど横行した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「辻斬り」の意味・わかりやすい解説

辻斬り
つじぎり

刀剣の切れ味を試すため、または武術を磨くために、武士が夜間往来の寂しい辻に立って不意に人に切りつける行為、またはそれを行う者をいう。辻切りとも書く。とくに江戸時代初期、戦国の殺伐たる気風がいまだ充満していたころ江戸市中を横行し、治安を乱した。斬り殺された死体が武家屋敷前に転がっていたこともあった。幕府は武家地に辻番を、町地に自身番を設置して警備させた。また、たびたび禁令を発し、辻斬りには引廻(ひきまわ)しのうえ死刑に処す厳罰を科した。武士に対し平民が無礼を働いたときは斬り捨ても許されたが、同輩同士の果たし合いに助太刀(すけだち)した者は処罰された。江戸中期に一時減少したが、幕末暗殺、辻斬り強盗の形で増加した。

稲垣史生

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デジタル大辞泉プラス 「辻斬り」の解説

辻斬り

池波正太郎の時代小説短編集。1973年刊行。「剣客商売」シリーズの第2作。

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