九酔渓(読み)きゅうすいけい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「九酔渓」の意味・わかりやすい解説

九酔渓
きゅうすいけい

大分県玖珠(くす)郡九重町(ここのえまち)にあり、飯田(はんだ)高原を北へ流下する鳴子川(なるこがわ)の渓谷。深さ200~300メートルに達し、第三紀層を基盤に凝灰角礫(ぎょうかいかくれき)岩、輝石安山岩、火山礫岩層、頁岩(けつがん)層、阿蘇(あそ)溶岩層、凝灰岩層など、九重(くじゅう)火山活動の標本がみられる。両岸ケヤキイタヤカエデミズナラヤマモミジなどの老大樹が枝を交え、新緑と紅葉が美しい。震動ノ滝(しんどうのたき)など滝も多い。県指定名勝。JR久大(きゅうだい)本線豊後中村(ぶんごなかむら)駅からバス30分。

[兼子俊一]


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