日本大百科全書(ニッポニカ) 「乳酸菌製剤」の意味・わかりやすい解説
乳酸菌製剤
にゅうさんきんせいざい
生きた乳酸菌を主成分とする内用製剤。乳酸菌には腸内異常発酵を抑制する作用があり、整腸剤として使用されている。乳酸菌にはストレプトコックス・フェカリスStreptococcus faecalis、ラクトバチルス・アシドフィルスLactobacillus acidophilusがよく用いられたが、嫌気性菌であるラクトバチルス・ビヒダスL. bifidusが母乳で哺育(ほいく)している乳児の腸内に多くみられるところから、このビヒダス菌を生菌のまま製剤化したものが市販された。続いて有芽胞菌、酪酸菌、さらに抗生物質に耐性をもつ乳酸菌が用いられるようになった。
[幸保文治]