乳酸菌製剤(読み)にゅうさんきんせいざい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「乳酸菌製剤」の意味・わかりやすい解説

乳酸菌製剤
にゅうさんきんせいざい

生きた乳酸菌主成分とする内用製剤。乳酸菌には腸内異常発酵を抑制する作用があり、整腸剤として使用されている。乳酸菌にはストレプトコックス・フェカリスStreptococcus faecalis、ラクトバチルス・アシドフィルスLactobacillus acidophilusがよく用いられたが、嫌気性菌であるラクトバチルス・ビヒダスL. bifidusが母乳哺育(ほいく)している乳児の腸内に多くみられるところから、このビヒダス菌を生菌のまま製剤化したものが市販された。続いて有芽胞菌酪酸菌、さらに抗生物質に耐性をもつ乳酸菌が用いられるようになった。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の乳酸菌製剤の言及

【整腸薬】より

…また消化不良が原因で下痢が起こっている場合には消化薬が有効であるし,細菌によって腸機能が乱れる,すなわち感染性下痢や腸内異常発酵の場合には腸内殺菌薬が有効となる。乳酸菌製剤は乳酸菌の働きで腸内異常発酵を防ごうとする整腸薬である。このように状況に応じて多くの薬物を使うことができるので,緩下剤,止瀉薬,消化薬,腸内殺菌薬,乳酸菌製剤などを包括した概念として整腸剤という語を用いる場合があるが,通常はこれらの薬物のいくつかを配合して多様な症状に対処できるようにした配合薬のことを整腸剤とよぶことが多い。…

※「乳酸菌製剤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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