精選版 日本国語大辞典 「乳酸菌」の意味・読み・例文・類語
にゅうさん‐きん【乳酸菌】
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糖類を発酵して、乳酸を生成する現象を乳酸発酵といい、これに関与する細菌を乳酸菌という。乳酸発酵をおこす細菌の主要なものは、球状のストレプトコックス属と桿(かん)状のラクトバチルス属である。いずれもグラム陽性で、通性嫌気性である。乳酸発酵では、六炭糖分子から2分子の乳酸を生ずるが、このとき、ほとんど他の副産物を伴わない場合と、乳酸のほかに、アルコール、酢酸、コハク酸、二酸化炭素などの副産物を伴う場合とがある。前者を正常乳酸発酵あるいはホモ乳酸発酵とよび、これに関与する細菌を正常乳酸菌という。後者を異型乳酸発酵あるいはヘテロ乳酸発酵とよび、これに関与する細菌を異型乳酸菌という。
[曽根田正己]
〔1〕球状乳酸菌 球状乳酸菌は、形態および生化学的性質によって次の4属に分類される。(1)ストレプトコックス属Streptococcus 正常乳酸菌で、二連または連鎖球菌。この属のS. pyogenesは溶連菌症(溶血性連鎖球菌症)の原因菌である。(2)レウコノストック属Leuconostoc 異型乳酸菌で、二連または連鎖球菌。この属のL. mesenteroidesはデキストラン(血漿(けっしょう)の代用物)の生産菌である。(3)ペディオコックス属Pediococcus 不活性の乳酸をつくる正常乳酸菌で、二連または四連球菌。この属のP. pentosaceusはザウアークラウト、ピクルス、サイレージなど漬物類の発酵に関与する。(4)アエロコックス属Aerococcus 右旋性の乳酸をつくる正常乳酸菌で、二連または四連球菌。この属のA. viridansはヒトの病原菌で、心内膜炎や輸尿管炎などをおこす。
〔2〕桿状乳酸菌 桿状乳酸菌は、すべてラクトバチルス属(乳酸桿菌属)Lactobacillusに含まれる。本属に含まれる菌の長さ、運動性はさまざまで、周毛をもつこともある。グラム陽性であるが、老化すると陰性となる場合がある。また、通性嫌気性であるが、好気的にも生育し、ときおり偏性嫌気性となる。発酵型にはホモ(同型)とヘテロ(異型)があり、生育温度も多様である。
ラクトバチルス属の代表菌はホモ乳酸発酵菌であるL. delbrueckiiである。このほか、L. bulgaricusはヨーグルトや乳酸飲料をつくるのに利用される。L. acidophilusはサワーミルクやアシドフィルスミルクをつくるために使われるが、本菌が腸内に存在することから、腸内に定着して整腸作用をもつとされる。L. plantarumは漬物の発酵菌で、酸味は主としてこれによっている。
[曽根田正己]
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