…しかし明治以降の洋服導入とともに大正時代ころから仕事着全般も洋風化した。現在では作業服,作業衣,事務服,各種職能服,制服などとなり,日常着,晴着などと形のうえでは変わらないものが多くなった。
[農・山村の仕事着]
農業・山林業に従事する男女の仕事着は,一般的に野良着と呼ばれていた。…
… 日本では昭和初期に自動織機が導入されるまでは,紡績工場の女子労働者は,和服にたすき(襷)がけやエプロンがけといった服装で働いていたが,機械化による危険性から帯が禁じられ,二部式の洋服(上衣にブルーマーズやズボン)を着用させたり,あるいは新しく作業衣が定められたりした。第1次・第2次世界大戦は女子の職場進出を促したが,和装の上から着用できる袖と身ごろのゆったりした事務服は,大正から昭和にかけて近代的なビルで働く女性を象徴するものであった。第2次大戦中のバス車掌の軍服に似た紺色の制服も同様であった。…
※「事務服」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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