化学辞典 第2版 「二塩化チオカルボニル」の解説
二塩化チオカルボニル
ニエンカチオカルボニル
thiocarbonyl dichloride
CsCl2(114.98).チオホスゲンともいう.CS2と湿った Cl2 との反応,高温でのCCl4とH2Sとの反応などで得られる.赤色の窒息性の臭いをもつ液体.平面三角形型構造.C-S1.63 Å.∠Cl-C-Cl116°.沸点73 ℃.密度1.51 g cm-3.光照射で,二量体Cl2C(S)2CCl2をつくる.水に不溶.水で分解するとCO2,HCl,H2Sとなる.NH3と反応するとNH4SCHとなる.第一次世界大戦では,毒ガスとして使用されたといわれる.[CAS 463-71-8]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報