二迫(読み)にのはさま

日本歴史地名大系 「二迫」の解説

二迫
にのはさま

鎌倉期より近世にわたる広域地名で、二迫川流域をさす。現在の栗駒くりこま町・鶯沢うぐいすざわ町・金成かんなり町・築館つきだて町などに比定されるが、近世の地誌類ではそれに含まれる村数が一定せず、また古くは尾松おのまつ庄と称したという。「吾妻鏡」文治五年(一一八九)八月七日条に「三迫」とあり、二迫の名もすでにあったと思われる。元弘四年(一三三四)には「二迫栗原郷」のうちほかが、宮城郡岩切いわきり(現仙台市)などを拠点とする留守家任に宛行われている(同年二月晦日「陸奥国宣」留守文書)。康永元年(一三四二)一〇月八日の石塔義房書状(鬼柳文書)に「二迫のやはた、とや」とあり、南北朝期の三迫合戦で当地方も戦場となっている。さらに文和元年(一三五二)には二迫栗原郷のうち平太良入道の在家一宇・田一町、同じく彦五郎の在家一宇・田一町などが、留守持家に安堵されている(同年一二月二三日「足利尊氏御判御教書」留守文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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