五山派(読み)ござんは

山川 日本史小辞典 改訂新版 「五山派」の解説

五山派
ござんは

五山とは,室町時代の日本禅林における寺格制度で,五山・十刹・諸山という寺格があった。五山の禅寺住持となるには室町幕府から公帖(こうじょう)という任命状が必要であった。五山寺院に入寺した僧たちは,蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)を派祖とする大覚派,無学祖元(むがくそげん)の仏光寺派,大休正念(だいきゅうしょうねん)の仏源派,一山一寧(いっさんいちねい)の一山派,明庵栄西の黄竜(おうりょう)派,円爾(えんに)の聖一(しょういち)派などの臨済宗諸派と,東明慧日(とうみょうえにち)を派祖とする曹洞宗宏智(わんし)派などの法系に属し,これらの諸派を総称して五山派という。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の五山派の言及

【仏教】より

…特殊な技能をもって室町将軍に近侍した同朋衆などのなかに,時宗の阿弥号をもつ人が多く,東山文化に果たした阿弥集団の芸術活動の役割には注目すべきものがある。 一方,室町前期の中央政界では臨済宗五山派が全盛をきわめた。幕府は京都・鎌倉五山以下,十刹・諸山(五山・十刹・諸山)の寺格を指定し,これら五山派の禅寺を官寺として保護した。…

※「五山派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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