寺格(読み)じかく

精選版 日本国語大辞典 「寺格」の意味・読み・例文・類語

じ‐かく【寺格】

〘名〙 寺の格式門跡本山別院本寺末寺や、五山十刹(じっせつ)などの類。
談義本・当風辻談義(1753)三「寺格(ジカク)急度(きっと)(さだまっ)てあり」

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デジタル大辞泉 「寺格」の意味・読み・例文・類語

じ‐かく【寺格】

寺の格式。勅願寺・祈願寺・門跡もんぜき寺院、また、本山・別院・末寺などの類。

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改訂新版 世界大百科事典 「寺格」の意味・わかりやすい解説

寺格 (じかく)

寺院に等級を設けて格式を区別すること。古代では,官寺の内に大寺国分寺,定額寺があった。平安朝に門跡寺院が生ずると,宮門跡,摂家門跡,准門跡脇門跡などの寺格が生じ,またそれらの下に院家,准院家などが成立した。これらは,国家,朝廷における序列であるが,中世には,鎌倉・室町両幕府が臨済宗寺院を五山,十刹,諸山,林下に区分したことから,諸宗派内部の序列・格式としての寺格が成立する。近世に各宗派教団が確立すると,この傾向は著しくなり,多様な寺格が制定された。曹洞宗では別格寺院を常恒会,片法幢会,随意会に,法地(普通寺院)を一~四に分け,その下に平僧地があった。真宗では院家,内陣,余間,飛檐,平僧に区分したのに始まり,きわめて複雑な寺格が定められ,礼金によって昇進することができた。明治維新後,それらは整理単純化されたが,現在も各宗教団に用いられている。
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