「くじょう」とも。公文(くもん)とも。禅寺住持の補任状。五山・十刹・諸山の官寺とそれに準じる禅寺に対してだされ,院宣・綸旨(りんじ)形式もあるが,一般には幕府による御教書(みぎょうしょ)のかたちをとる。起源は定かでないが,1279年(弘安2)無学祖元に対してだされたものが現存最古。手続きはおもに将軍と僧録の間で行われた。受領者は幕府に官銭を収めたので,それを得るため実際には入寺しない坐(居成)公文(いなりのくもん)がだされた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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…したがって荘園現地の実質的支配権をめぐる鎌倉期における領家と地頭の争いは,しばしば公文の進退権をめぐって行われた。なお特殊な用例として,室町時代,五山・十刹・諸山など官寺禅院の住持の任命辞令(多くは幕府発行)を公文・公帖(こうじよう)といい,実際に入寺しない者に官銭を得るために出したものを売公文,入寺しない者を坐公文・居公文(いなりくもん)といった。公文所【工藤 敬一】。…
※「公帖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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